biz01

韓国の取引先の担当者であるキムさんは課長さんなんですが…。
ふと、日本の会社の課長さんの位置と同じなのかな~?って疑問に思ったんです。
韓国の会社の肩書って日本と同じなんでしょうか?


ユラユラ

似ている部分が多いですが、韓国独特の肩書もあります。
韓国企業の肩書についてちょっと整理してみましょう。

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韓国の会社における肩書(職銜)

韓国では肩書のことを職銜(직함/チッカム)といいます。
肩書は職位(직위/チグィ)と職責(직책/チッチェッ)に分けられます。
 
職位:与えられた職務によって規定される社内での位置・ランク
「昇進」はこの職位が上がったことを意味します。

一般職

社員(사원/サウォン)<主任(주임/チュイム)<係長(계장/ケジャン)<代理(내리/デリ)<課長(과장/クヮジ ャン)<次長(차장/チャジャン)<部長(부장/ブジャン)

役員
理事(이사/イサ)<常務(상무/サンム)<専務(전무/チョンム)<副社長(부사장/プサジャン)<社長(사장/サジャン)<副会長(부회장/プフェジャン)<会長(회장/フェジャン)
 
職責:社内での職務、責任、権限を示します。
「昇進」しても職責が変わらない場合もあります。
パート長(파트장/パトジャン)<チーム長(팀장/ティムジャン<室長(실장/シルチャン)<本部長(본부장/ポムブジャン)<事業部長(사업부장/サオッブジャン)<CEO、CFO, COOなど
 
「キム・ハヌルさんは課長(職位)で、営業第3チームのチーム長(職責)です。」
と説明するのが正答です。
 

韓国企業における主要な肩書

韓国では2014年に「未生(미생/ミセン)」という大手総合商社を舞台としたドラマが大ヒットしました。
韓国のビジネス事情を理解するのに、とても役に立つドラマです。
 
このドラマは日本では2016年に「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」として
中島裕翔(Hey!Say!JUMP)主演でリメイクされています。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
 
ドラマ「未生(미생/ミセン)」の登場人物を用いて韓国企業の主な肩書についてご説明しましょう。
社員(사원/サウォン)
まだ肩書がない平社員のことです。
ドラマ「未生(미생/ミセン)」の主人公チャン・グレ(26)は囲碁のプロ棋士を目指していましたが
その夢をあきらめざるを得ない状況になり
母の縁故で「ワン・インターナショナル」という商社に仮入社。
インターンとして営業部営業3課に配属されました。
代理(내리/デリ)
何かの代理という意味ではなく、職位の一つです。
韓国独特の職位ですね。
課長の一つ手前のランクと考えてよいでしょう。
 
主人公チャン・グレの良き先輩であり理解者であったのが
キム・ドンシッ代理(30代)でした。
新入社員の実質的な教育係でもあります。
日本のリメイク版では「主任」として描かれていました。
課長(과장/クヮジャン)
ドラマではオ・サンシク課長(43)が営業3チームのリーダーでした。
仕事一筋で部下思いの熱い上司でした。
同期には次長になっている人もいるのに
専務との対立のため課長止まりになっていました。
次長(차장/チャジャン)
ドラマには営業1チームの女性リーダーとしてソン・ジヨン次長が登場しました。
オ・サンシク課長と同期ですが能力を認められ既に次長に昇進している設定です。
育児との両立に悩む姿も描かれました。
部長(부장/ブジャン)
営業1、2、3チームをまとめる営業本部のリーダーとして
ドラマではキム・ブリョン部長が登場しました。
主人公の上司であるオ・サンシク課長の仕事ぶりを認め、
営業3課にも期待している様子でした。
理事(이사/イサ)
日本の取締役にあたります。
常務(상무/サンム)
日本の常務取締役にあたります。
専務(전무/チョンム)
日本の専務取締役にあたります
ドラマではチェ・ヨンフ専務が社長と勢力を二分するほどの 
強い権力を握っている状況でした。
主人公はチェ・ヨンフ専務のコネで仮入社するのですが、
それが、後々様々な影響を及ぼしました。
社長(사장/サジャン)
ドラマでは専務と対立関係にある人物として描かれました。
あまり登場しませんでした。

韓国は日本以上に肩書に敏感

ご存じのように、韓国の姓(苗字)は日本と比べて種類が少ないです。
一応280種類以上あるといわれていますが、
主な姓は20種類程度です。
私の「体感」では20種類でも多いと感じるぐらいです。
なにしろ、金(約22%)李(約15%)朴(約9%)崔(約5%)鄭(約4%)の5つの姓で
人口の半数以上を占めていますから…。
必然的に、会社の中に「金さん」「李さん」が大勢います。
ですから、韓国では相手を姓だけでなくフルネームで呼ぶことが多いです。
 
そして、社内では姓に肩書を付ければ、個人を特定しやすくなります。
下の名前まで覚えていなくても「金課長様」と呼べばオッケーという面もあります。
 
何のチームも任されていないのに「チーム長」や「マネージャー」という職責があるケースも少なくありません。
 
儒教の影響もあって、韓国では年齢や位置による上下関係には日本以上に敏感です。
名刺交換では、相手の肩書をしっかりチェックして把握しましょう

biz04話す

なるほど。韓国では日本以上に肩書を重要視しているみたいですね。

ユラユラ

そうですね。韓国の会社では肩書が名前の一部といった感じです。

biz01

なるほど・・・。
どころで、今度、韓国に出張するんですが、担当者の方を何とお呼びしたらいいんでしょうか?

ユラユラ

そうですね。では、韓国の会社における相手の呼び方について整理してみましょう。


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韓国企業における呼称

「~さん」と「~씨(氏:シ)」は同じじゃない

日本では相手に丁寧に呼びかける時、「~さん」と言いますね。
「~さん」とよく似た韓国語として「~씨(氏:シ)」が認識されています。
 
でも、「~さん」と「~씨(氏:シ)」は別物です!!
 
「~さん」よりも「~씨(シ)」の方が丁寧度が低いです。
「~さん」よりも「~씨(シ)」の方が事務的で冷淡です。
 
肩書がないことがはっきりわかっている自社の相手なら「~씨(シ)」を用いて
チャン・グレ씨(シ)と呼んでもよいのですが
肩書がある方に 「~씨(シ)」を使って呼びかけるのは
とても失礼になるので気を付けましょう。
 
また、使い方にも違いがあります。
 
「~씨(シ)」は基本的にはフルネームに付けます。
チャン・グレ씨(シ)とか、キム・ハヌル씨(シ)のように使います。
 
親しい間柄になると、苗字ではなく下の名前に「~씨(シ)」をつけて
グレ씨(シ)とかハヌル씨(シ)のように呼びます。
 
苗字だけに「~씨(シ)」をつけることはありません。
チャン씨(シ)、キム씨(シ)のように呼びかけると
失礼な感じを与えますから、注意が必要です。
 
韓国の取引先の相手には敬意を表すのが基本ですから
ビジネス上では「~씨(シ)」を使って呼びかけることは
ほぼ、ないと考えていいでしょう
 
肩書がないことがはっきりわかっている韓国の取引先の相手は
「フルネーム+様(님:二ム)」と呼べば問題ないでしょう。

韓国では氏名+肩書+様(님:二ム)が基本

韓国の企業では肩書がある上司や取引相手は肩書に「様(님:二ム)」をつけて呼びます。
日本企業では「鈴木社長」「佐藤部長」と職位が尊称にあたると認識されていますが
韓国企業では「キム社長様(サジャン二ム)「イ部長様(ブジャン二ム)」と呼びかけます。
 
ちなみに「先輩」「先生」なども「先輩様(ソンべ二ム)」「先生様(ソンセンニム)」と言います。
「デザイナー」「弁護士」「作家」「PD]など、個人でやっている職業にも「様(님:二ム)」を付けます。
タクシーやバスなどの運転手さんは「技士様(キサ二ム)」です。
 
日本人にとっては「課長様」「係長様」はオーバーに感じますが、
韓国人の感覚では「〇〇課長」「〇〇係長」だけでは失礼な感じがするのです。
 
 
肩書がある韓国の取引先の方を呼ぶときは
「フルネーム+職位・職責+様(님:二ム)」例)キム・ハヌル クヮジャンニム 
日本語なら
「フルネーム+職位・職責+さん」例)キム・ハヌル課長さん
「苗字+職位・職責+さん」例)キム・課長さん
このようにお呼びすればよいでしょう。
 
ちなみに、韓国では同僚同士でも肩書がある人には
「金課長」「朴代理」「李チーム長」のように肩書を付けて呼びかけるのが一般的です。
 

肩書がわからない相手は「先生様(ソンセンニム)」

名刺交換の際に、相手の肩書を確認するのはとても重要です。
でも、名刺交換以前に、相手に呼びかけなければならない状況になることもありますよね。
 
そんなときは「先生様(ソンセンニム)」を使いましょう。
会議の途中で入ってきたりして、名前も苗字もわからない方にも
「先生様(ソンセンニム)」と呼びかければオッケーです。
名前だけは知っていて、肩書がわからない相手にも
「キム先生様(ソンセンニム)」と呼びかければだいじょうぶです。
困った時は「~先生様(ソンセンニム)」
覚えておきましょう。

大切な相手はフルネームで覚えよう

韓国の方の氏名は
漢字一文字の姓と漢字二文字の名前が一般的です。
姓の種類も多くないので、同姓同名の方も多くなります。
氏名が短いですから、韓国ではフルネームで呼びかけるのが基本です。
姓だけで呼ばれるのとは重みが全然違います。
 
大切な相手は肩書も含め
フルネームをしっかり覚えて、大切にお呼びしましょう。

biz04話す

なるほど。取引先の担当者の方は「キム・ジンス クヮジャンニム(金ジンス課長様)」です。お会いしたら、韓国語でお呼びしてみますね。
 

ユラユラ

はい。きっと好感度アップすると思います。がんばってください。